温故知新


 第5話 百戦百勝は、善の善なるものにあらざるなり。戦わずして人の兵を屈するが、善の善なるものなり。 「孫子」


 「孫子」の作者は孫武と言う説と孫ぴんと言う説がありました。史記に孫武は兵法を好み、研究に励んだ結果、十三篇からなる兵書を完成した。孔子と同年代と出ています。文体は戦国時代のもので、その時代の孫びんの作とする説もりましたが、「孫びん兵法」と言う木簡が出土し否定されました。現在伝わっているのは、孫武の作のものに、三国志の雄、魏の曹操が注を付けたものが伝えられたと言うことになっています。

 単なる戦って勝つためのノウハウ集ではなく、戦術の書であることは言うまでもないのですが、処世の書、政治の書、経営の書としても立派なものと古来考えられ、応用面が誠に広いく、現代にも、十分通じるものがあり多く読まれています。

 第5話は、孫子のなかで最も有名な言葉で、孫子の兵法の真髄をあらわしたものです。

 百回戦って百回勝ったとしても、それは最上の勝ち方ではない。戦わないで相手を屈服させることこそ最上の勝ち方である。という意味です。

 たとえ戦いに勝っても見方のダメージが全くない訳ではありません。苦戦の末わずかの差でやっと勝ったということもあるでしょう。こういう勝ち方は勝ったとしても自慢できるものではありません。戦って勝つことが目的ではなくて、相手をこちらに従わせることが目的で、戦いはそのための一手段にすぎません。

 最上の戦い方は、「謀」ということになります。

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