温故知新


 第42話 花は半開を見,酒は微酔に飲む 「菜根譚」


 花を観賞するなら五分咲きの頃,酒を飲むならほろ酔い機嫌のあたりでやめておく.酔っぱらってヘドを吐くような飲み方は最低だといっています.『菜根譚』はこう語った後で,次のようにコメントしています.

 「盈満を履むものは,よろしくこれを思うべし」

 満ち足りた境遇にある人は,このことを良く考えて欲しいというのです.つまりこの一句は,花の見方や酒の飲み方を語りながら,実は人生の生き方を説こうとしています.何でも思い通りになる満ち足りた境遇は,往々にして人をダメにします.

 傲慢になったり,へんに意固地になったりして,かえって人から嫌われることが多い.むしろ,したいことも十分にできないような,あまりにも不自由な境遇でも困ります.ほどほどがよいということです.恵まれた人でも,一つや二つ,思い通りにならないことを抱えている方がかえって良いのかも知れません.(9月2 9日)


温故知新へ

  ご意見ご感想はこちらへお願いいたします