温故知新


 第37話 算多きは勝ち,算少なきは勝たず 「孫子」


 「勝算の多い方が勝ち,勝算の少ない方が破れる」と言っています.「孫子」はこう語った後で,「而るを況(いわんや)算なきにおいておや」---まして勝算がなかったら勝てはしないのだと駄目を押しています.

 勝算もないのに,ぱっと飛び出して玉砕してしまったのでは,元も子もありません.そのようなときは,敢えて後ろに退きます.そして戦力を温存していれば,また次のチャンスに掛けることもできます.これが「孫子」の認識です.

 「算」とは「計算」の「算」でもあります.ですからこの一節を,何か事業をはじめるときには,確かな計算を立ててかかれと理解してもいいでしょう.

 ところ私たち日本人は,「計算」に強い人間を,「計算高い」などと言って嫌う傾向があります.しかし,これはおかしいです.第一,計算に弱かったらろくな人生設計もできないでしょう.危険を避けるためには,何事も,きちんと計算を立ててかからないといけません.(9月13日)


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