第35話 遠水は近火を救わず 「韓非子」
むかし魯の国は,隣の斉という強国から圧力を受けて苦しんでいました.そこで魯の王様は息子たちを晋と楚に仕えさせ,いざというときに,この両国の援助に期待を掛けようとしました.これを見て,ある重臣がこう言ったといわれています. 「ここに溺れ掛けているものがあるとします.越の人は泳ぎがうまいからと言ってわざわざ助けを求めに行っても,間に合うはずがありません.火事が起こったとします.海の水はいっぱいあるからといってわざわざ引いて来ようとしても,これまた間に合いません.遠水は近火を救わずです.晋,楚は確かに強国ですが,なにぶん遠方でございますから,隣国斉に責められたときにあてにすることはできません」(9月13日) 温故知新へ |