第17話
死せる孔明、生ける仲達を走らす 「蜀書」
諸葛孔明と、司馬仲達が対決した五丈原の戦いは、ほとんど睨みあいが続き、対峙すること百余日、ついに孔明は陣中で病死します.蜀軍はひそかに撤退に移りました.この動きは、土地のものによって仲達の元にもたらされます.仲達は、すぐに追撃したが、蜀軍がわざと旗の向きをかえ、出撃の太鼓を鳴らして反撃の態勢をとると、慌てて逃げもどり、もはや近づこうともしませんでした.これを見た土地の人達は口々に言いました.
「死せる孔明、生ける仲達を走らす」
余りにも有名な言葉のために、仲達はすっかり臆病者で無能な将軍というイメージを持たれてしまいました.しかし仲達は、この戦いで無理やり勝ちにいく必要はなく、敵を撤退に追い込むだけでよいのでした.持久戦に持ち込んだのは、戦わずして勝つ、という中国流兵法に則った作戦であって、決して臆病だったからでも、無能だったからでもありません.「目的は勝利であって戦いではない」と「孫子」も言っています.(7月28日)
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