温故知新


 第12話 人少(わか)くして学を好まば専らなり,長ずれば善く忘る. 「魏書」


  学問をするなら,集中力のある若いうちにするように.なぜかというと,年を取るほど忘れっぽくなるから,という意味である.

 学問好きで,陣中でも片時も書物を離したことのなかった操曹の言葉です.朝夕のくつろいでいるときに,息子の操丕に学問を奨めました.操丕が父をしのぐ程の文名を後世に残せたのは,操曹のこのアドバイスによるところが大きいようです.

 たしかに人間年を取ると集中力は衰え,記憶力も衰えてきます.だからといって操曹は,年を取ってから学問をしても無駄だといってはいません.この言葉のあとに続けて,

「この年になっても向学心に燃えているのは,まあわしと袁遺ぐらいのものだろうな」といささか自慢げに語っています.

 平均寿命80歳といわれる現代を生きるには,身体の健康を気づかうことはもちろん,心や頭のトレーニングをすることも怠ってはいけません.身体よりも精神の老化を防ぐことのほうが大事かもしれません.何事であれ,興味のあることに打ち込んで,常々脳を刺激することが,脳の老化を防ぐことにつながります.60の手習どころか,80の手習という言葉もあるそうです.(7月19日)


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